総括

23日、春シーズン最終戦となった関東春季大会・日大戦。50-14での勝利にも相良南海夫監督は渋い表情で
振り返ります。

「根本的にセットプレー、スクラムがやられたので…。言い方はあれですけど、レフリングに助けられた部分も
あって、あそこでペナライズされていたらこういう展開にならない…、むしろ逆の展開になっていた可能性も
あった。FWはモールも(トライを)取られたし、スクラムもやられたし、ちょっとFWのプライドが足らないん
じゃないかという話をしました。後半は少しは修正できたかなと思いますが…。」(相良南海夫監督)

天理大戦、明治大戦での課題であったスクラムはこの日も終始劣勢、「死ぬ気でではないですけど、本気で
この7月、8月にやらなければならない課題」(相良南海夫監督)と位置づけます。また試合の立ち上がりの
悪さはこの日も改善されず、指揮官も首をかしげます。

「積極的なミスか、消極的なミスかというと最初の10分で3つくらいネガティブなミスをしていると僕は思って
います。ゲームの入りは大事だよという話はしたのですけど、まぁよくなかったですね…結局春はずーっと
一緒ですね…。」(相良南海夫監督)

その一方で春シーズンにフォーカスしてきたディフェンスに関しては成長に手応え。天理大戦こそ大敗を喫した
ものの明治大戦では前に出るディフェンスで相手のミスを誘い、ゴールラインを背負っても粘り強さを見せます。

「選手も前に出て、ディフェンシブに行くんだというマインドセットは徐々に出来るようになってきた部分も
あります。ディフェンスは成長の過程にあるので、自信にしていきたいですね。課題としてはもうちょっと前に
出ることとか、一発一発のタックルでしっかり倒して、前で止めたらターンオーバーしきるくらいの…そういう
レベルになっていかないと上のチームに対峙できないです。」(相良南海夫監督)

プレー以外の部分に目を移すとこの春は4年生が練習前に毎日集まって意見を交わしあうなど、学生自身が
自ら考えて行動するように。

「僕が(ラグビーを)やるわけじゃないですからね。選手がどこで勝つんだということに向き合って、練習に
取り組んで欲しいと思っています。考えることがワセダのラグビー部にとって当たり前の部分だと思いますし、
そこが失われてしまうとワセダのラグビー部じゃなくなっちゃうんじゃないかなという気がします。選手が
考えて、意思を持って、意図を持って練習しないと勝つチームにならないと思います。」(相良南海夫監督)

春シーズン終盤には1年生も試合デビュー、慶應新人戦そして上級生との部内マッチに圧勝し、明治との
新人戦でも後半20分まで互角の勝負、この日もA、B、Cチームそれぞれのカテゴリで出場した1年生が溌剌と
プレー、チームに新風を吹き込みます。

「元気いいと思いますね。今は貪欲な気持ちがあると思うので、そこは変に先輩に長いものに巻かれず、
どんどん成長してくれるとチームの底上げにもなるし、期待したいですね。上のヤツらはそこに刺激されて、
そういう意味でいい循環が出来ればワセダらしいチームになってくれると思います。」(相良南海夫監督)

春シーズン経験を積んだメンバー、U20日本代表などの活動でチームを離れていた主力メンバー、そして
躍動するルーキー達、それぞれに刺激し合い、自ら考えて行動できるチームへ。チームの成長にとって
大事な夏合宿までの練習期間を迎えます。【鳥越裕貴】



前半39分、ディフェンス2人を振り切ってトライをあげるHO宮里侑樹選手。春シーズンAチームは
春季大会3勝2敗、招待試合・定期戦2勝3敗で終了。

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