副将

2日、高麗大をホーム上井草に迎えての定期戦は前後半あわせて9トライ、55-12で快勝します。
特に意識したというディフェンスでの味方同士の距離感について、ゲームキャプテンを務めた
FL西田強平副将が振り返ります。

「今まで(間隔が)狭かったのですけど広げていこうと話していました。狭まる事によって
外のディフェンスラインが甘くなるところを今回は皆が広がって、真っ直ぐ前に出ようと。
相手がピックでボールを繋いで繋いで…と来るところで最初は受けてしまったのですが、
前半の後半は修正できたので良かったです。」

前週(5/27)の早慶戦からスタメンFWは総入れ替え、Aチームとしての経験値が少ないメンバー
編成に週前半の練習ではなかなか声が出ず…。チームとして不安な要素もある中で西田副将が
意識したのはチームの雰囲気作り。

「チャレンジしてくれるような雰囲気を作るのも僕達(リーダー陣)の仕事。そういった意味
では、いいチャレンジをしてくれた選手も多かったと思います。」

初スタメンとなった3年生・PR武田雄多選手は前半タテ続けにブレイクダウンで絡んでボールを
奪い返し、上井草を沸かせます。

「彼(武田雄選手)はもともと3番の選手。急遽1番で起用されたのですが、そこで消極的に
ならず、自分のプレーをしてやろう…とやってくれたのはチームにプラスになったと思います。」

一方で後半になって2トライを与えるなど課題を残し、これには西田副将も首を捻ります。

「後半になって、チームが落ち込んでしまうというのは前回の試合(春早慶戦)でも同じ反省点が
あって、そこを自分自身変えていく役目を担っていると思うのですけど、そこが変えれなかった
のは自分自身悔しいです。もっとチームを鼓舞しなければああいう後半の雰囲気になってしまう
のだなと…。」

最終学年となり副将を任される西田強平選手。「前以上にチームの雰囲気だったり、意識だったり
を大切にするようになった」とチームを盛り上げる声、そして落ち着かせる声と使い分けて、
コミュニケーション面でのリーダーとしてその振る舞いを強く意識します。

「(佐藤真吾)主将はどちらかというとプレーで示してくれるタイプ。声出せる自分がチームの
事を…どういった事を次に意識するのか、練習でやってきた事にどうやったら立ち返られるのか…
チームトークでそこに持って行くのが仕事ですし、もっと働きかけていきたいと思います。
(ポジションが同じ主将と)同じチームで出られる事も少ないのでコミュニケーションを取って
役割分担しています。」

一人のプレーヤーとしてレギュラー獲りに挑みながらも、チーム全体を掌握する立場、それぞれを
意識しながら模索する春シーズンが続きます。

「前(3年生迄)は自分ひとりのプレーに集中して、個人的にいいプレーをしたいという思いで
やっていたのですけど、それではチームに何の影響も刺激も与えられないと気付きました。
自分のプレーだけに固執するのではなく、周りを見ながら何が必要で…と判断しながら
やらなければいけないのが難しいですね。」

桐蔭学園中学の2年生でラグビーを始めた西田強平選手、その時の桐蔭学園高校3年生だった
小倉順平選手(現NTTコム)が花園で優勝する姿、そしてそのままワセダでアカクロジャージを
着て活躍する姿が「ポジションは違えど、すごくカッコイイな」と憧れて自身もワセダへ。

「自分のプレーだけじゃなくて周りのプレーヤーを鼓舞できるようなそういう選手になれるよう、
残りのシーズン頑張っていきたいと思います。」

自分自身の事、そして何よりチームの事、高いレベルでの両立を目指す副将が激戦区の第三列で
存在感を放ちます。【鳥越裕貴】



後半、突進するFL西田強平副将。前半には立ったまま相手ボールを奪い返す”瞬ギリ”も。
「相手が繋いでくるタイプのアタッキングで、一人下に(タックルに)入ってくれたので、
ボールを繋がせないという意識でやれたのは悪くなかったかなと思います。普段だったら、
バチコンッ…と当たりに行きたいところだったのですが相手を見てプレーを変えられました。」

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