圧倒

26日、敵地・日吉で行われた新人早慶戦。40分一本、スクラムノーコンテストで行われた変則マッチは
47得点を記録しての完勝、1年生チームを指導する大峯功三コーチも笑顔を見せます。

「今日は1対1のところと、動き出し…”Moving”という今年のスローガンがテーマと言っていたのですけど、
一人一人、一生懸命アグレッシブにプレーしていたと思います。(出場した)みんな、よかったです。」

春シーズン恒例の1年生試合はルーキー戦士にとって、「初めてワセダの血が流れる試合」(WTB池本暖選手)
という事もあって、試合前アップの段階から気合十分、ゲームキャプテンを務めたPR小林賢太選手も

「コーチからは新人早慶という一生に一度しかない試合に対して、しっかりと自分たちで思いを持って
試合するようにと言われていました。そのマインドは全員持てていたと思いますし、その気持ちを持てたのが
こういう結果に繋がったと思います。」

と気持ちの部分を強調します。プレー面で全員が接点で激しくファイト、ディフェンスで何度もボールを
奪い返しては大外へボールを運んでトライを量産します。

「ターンオーバーして、アンストラクチャな相手の(陣形の)バランスが悪いところで、自分たちが空いている
スペースにボールを運ぶ練習を今までの期間でしてきました。そこはみんな意識しながら出来たと思います。」
(PR小林賢太選手)

7トライをあげる猛攻もPR小林賢太選手はこの試合を「60点くらい」と厳しめに採点、その理由を続けます。

「目標が圧倒的に勝つという事だったので、得点というよりは失点したところが…。最後自分のタックルミスで
グラウンディングされてしまったのが心残りです。(トライを取られる過程の)ペナルティは全部自分たちで
意識したら修正できるペナルティばかり。そこは自分たちのストレスコントロールをしっかりとしていきたいですし、
試合をやりながらでも、FWとBKの連携でミスが起こったりと修正しなければならない点がはっきりしました。
のびしろはありますし、メイジを相手に勝つという事を考えると今日はそれくらいの点数(60点)です。」

「チームで一番体を張っていた」(大峯功三コーチ)と接点で激しく体を当てて再三のジャッカル、更には器用な
ロングパスと見せ場を作ったPR小林賢太選手は名門・東福岡高校出身、高校・大学の先輩で活躍の場を
トップリーグ、そして代表へと移す垣永真之介選手が目標の選手と話します。

「フィールドプレーでタックルするよりはブレイクダウンで相手にストレスをかける方が得意です。今日はスクラムが
なかったですけど、自分も垣永さんみたいにセットプレーだったり、コンタクトのところでのインパクトであったり
で魅せられるようになりたいです。」

一方で指定校推薦でワセダへ。この日途中出場で2トライをあげたWTB池本暖選手(愛知・千種出身)は
入部を迷っていたと話します。

「自分が(トップレベルに)ついていけるかどうか不安でした。(井上)大二郎さんや高校の先輩から、ワセダの
具体的な話を聞いて…。最後は兄(2015年度岡田組・翔一選手)が『お前ならいける』とラグビーを続ける事を
後押ししてくれました。同期にすごい選手も多いですが、彼らから技術を盗んでいきたいですし、(次戦で)出る
機会があったら、メイジの高校日本代表クラス相手に思い切りやりたいです。」

入部して約1ヵ月半、今は気後れなく前だけを見据えます。推薦組も一般組も一体となった快勝に
大峯功三コーチも手応えを感じます。

「体を当てることに積極的な学年で、早くAチームに上がりたいと言う気持ちがある。上級生との練習でも
ターンオーバーしていましたし、今日も積極的に行ってくれました。(次の)メイジは接点の厳しさがある
チームなので、3週間いい準備をしていこうという話はしました。」

敵地・日吉にも関わらず、試合後整列する1年生に送られた拍手の大きさに、今後への大きな期待が乗せられます。
【鳥越裕貴】




35分、鮮やかなステップワークで独走トライをあげる途中出場のWTB池本暖選手。2015年度岡田組に在籍した兄・
翔一選手とそっくりな走り方に「ハンドリングが悪い所が似ているとも言われます(苦笑)。外側で突破できる
ところが強み、スピードで勝負して行きたいです。」

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