目標

13日、春季大会中央大戦。前半8分、14分と序盤の連続トライでチームを勢いづかせたのがCTB伊藤大貴選手。
1つめのトライはカウンターアタックからラインブレイクしたSO岸岡智樹選手をしっかりとサポートして
生まれたもの。

「春の試合の中での課題として、誰かが抜けた後に追い上げてサポートするというプレーがちょっとなくて。
(今日は)追い上げてサポートするところを意識して、結果的にトライできました。」

続く、2つめのトライはゴール前スクラムの一次攻撃から。

「ゴール前のスクラムだったのでCTBとして強いプレーだけを考えて、空いているスペースに強いプレーで
走りこんでトライできました。体が小さいので真正面から当たってしまうと負けてしまうと自分でも分かって
います。少しでも…半歩でもずらして、どこがスペースとして空いているかを常に見るようにしていて、
相手が出てきたところをずらせたと思います。」

巧くタックルポイントをずらして奪ったトライのお手本はワセダOBでトップリーグ・ヤマハ発動機で活躍する
宮澤正利選手。自身の高校時代(春日丘)からずっとそのプレーを見てきたと話します。

「自分と同じくらいの体型なのですけど、なんであんなに小さい選手がヤマハという強いチームで活躍できる
のかずっと見ながら何かマネできることはないかと…。宮澤選手も記事で言っていたのですけど『真正面の
衝突だと負けてしまうのは分かっているので、そこを埋める為、ディフェンスの間合いの詰め方や狙う角度を
意識している』と。参考にさせてもらっています。」

この日、2トライで猛攻の火付け役となったもののアピールポイントはディフェンス。その強みを生かすため、
新チーム開始時の首脳陣との面談で、FBからCTBへの転向を言い渡されます。

「バックスリーとして他の選手に取り切る力とかランとかが(武器として)あって、自分にはランはちょっと
ムリだなと…。去年の秋くらいからCTBでディフェンスの練習をさせてもらっていて、今年は(CTBで)やって
いくと決めました。自分がチームから求められているのはディフェンス、そこは今も自信あるのですけど、
チームで一番ズバ抜けていないとこの体で試合に出続けるのは難しいと思っています。まだまだ課題はあるので、
ディフェンスにフォーカスしてやっていきたいと思います。」

高校時代から慣れ親しんだFBからの転向で奇しくも憧れの先輩と同じポジションに。絶対的エース中野将伍
選手らが居るポジション争いの激戦区に参戦します。

「将伍みたいなCTBもいれば、宮澤選手みたいなCTBもいていいと思うので、自分の強みを最大限生かした
CTBに最終学年なりたいと思います。」

身長170cm。小さくても強い体の原点は、春日丘高校時代。週に2回行われるボディビル日本チャンピオンの
野沢正臣氏からのウエイトトレーニング指導で「ウエイトトレーニングの基礎が作れた」と話します。
大学入学後、ワセダも重視するウエイトトレーニングの中で全体的に数値を伸ばし、高校時代に150キロ
だったスクワットは大学に入って200キロに。積み上げてきたトレーニングの成果を最終学年で出し切る
強い覚悟を口にします。

「13番を自分のものにするという意識が強いです。3年間対抗戦に出れていないので試合に出続けて、
日々成長して、一個一個目標をクリアして最後に日本一という結果、荒ぶるをとりたい。4年生として
最後に駆ける思いは強いです。言葉で言うのは主将、副将が上手くまとめてくれると思うので自分は
泥臭く、体を張ったりがむしゃらなプレー…そういう姿を見せることで引っ張れたら。」

昨年度も野口祐樹選手、中野厳選手と小柄なBKプレーヤーがラストイヤーにブレイク。目標とする宮澤正利
選手ら小さな体でアカクロを着続けた先輩達の背中を追いかけて、レギュラー獲りに挑みます。【鳥越裕貴】



前半14分、敵陣ゴール前でディフェンスをすり抜けてトライをあげる伊藤大貴選手。チームの完封勝利に
「チームとして前に出る意識を全体で共有して今週のテーマとしてやろうと。前の試合よりも前に出ようと
いう意識は強くあって、実際何度もディフェンスで味方がターンオーバー出来たシーンから、トライに
結びついたところは成長を感じます。」

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