底上

5日、筑波大戦。後半3連続トライで追い上げたものの前半の24失点が響いて、21-38で敗戦。相良南海夫監督が
試合を振り返ります。

「前半からポゼッションもさることながらエリアが取れていなかった。後半、岸岡が入ることでエリアマネジメントが
出来ましたし、彼のキックが有効に出たと思います。」

この日、ウォーターボーイを務めた齋藤直人選手も含めて、囲み取材の中で選手起用について記者からいくつか
質問が出ると、指揮官は言葉を選びながら答えます。

「岸岡にしても、(齋藤)直人にしても怪我するケースもある…ずっと居るとは限らないので。AとBの差が去年までいた
古庄(コーチ)に聞いても、やっぱり70対0、80対0くらいの差がありますよ…と。(AとBの差が)拮抗するというのは
厳しいかもしれないけど、そういうところの差が縮まってこないとチーム力が上がってこない。」

春季大会は連敗スタート。それでも指揮官は選手の経験値アップを優先します。

「(結果は)気にしていない。気にしていない…という言い方も、気を付けないといけないのですけど(苦笑)。
でも春は監督も変わったし、鍛える春というのがやっぱり、ワセダの伝統。(結果が出ない事で)自信を失わせない
程度にやりたいと思います。ファンの皆さんには申し訳ないですけど。」

スタメン出場したWTB安部勇佑選手、リザーブ入りしたCTB松本悠汰選手はともに2週間前の春シーズン開幕戦は
Cチームで出場。その試合と翌週の試合(4/28東京大戦、4/29日朝日大戦)でそれぞれ活躍を見せると、この日
Aチームに抜擢を受けます。

「僕自身は選手のことをフラットに見ているというか、知らないので。試合に出してみるとまた見方も変わってくる
かもしれない。」

多くの選手が新たに起用される中で、途中出場した4年生SH堀越友太選手は、指揮官を驚かせた選手の一人。

「(先発SHの)貝塚もディフェンスで頑張っていた部分があったので、なかなか変えづらかったのですけども、あそこ
までやるのだったら、もうちょっと早く入れてもよかったかなと。テンポが出たので、とても良かったです。どこの
チームで使うかは別として、もうちょっと長い時間見てみたいなと。」

一人一人の力を見極めながら、試合後クールダウンを行うメンバーにも積極的に声をかけます。SO加藤皓己選手と
長い時間話しこみ、「(監督から)ゲームメイクの部分をこれから一緒に考えていこうと言われました」(加藤皓己選手)。
結論を急がず、選手とともに答えを探し出す姿勢で新監督は先を見据えます。

「時間がかかるものと思っているので、問題点をレビューしながら次に繋がるような。問題点が出るというのは決して
悪いことではない、前向きな課題ととらえて取り組んでいきたいと思います。僕の仕事は彼らのモチベーションが前を
向くように…そういうアプローチをしていくしかないと思っています。」

5月は下位チームや1年生マッチも含めて毎週末のように対外試合が組まれます。多くの選手にチャンスが与えられる
中で、競争心を煽りながらチームの底上げを狙います。【鳥越裕貴】



後半、途中出場で試合の流れを変えたFB/SO岸岡智樹選手。指揮官は今後に向けて
「やり始めたことを我慢強く、積み重ねて良くしていこうという事。やりたいストラクチャは選手たちの中でだいぶ
理解出来てきていると思います。ブレイクダウンでのベーシックなスキルだとかボールキャリアのちょっとした
ボディコントロールだとか、もう1回基本的なところの精度を上げていきたい。」(相良南海夫監督)

inserted by FC2 system