経験

22日、春季大会開幕戦・日本体育大戦。後半から背番号16で登場したのが、昨年までの
不動のPR鶴川達彦選手。5年生プレーヤーとして再びアカクロに袖を通します。

「トップリーグを目指したいという中で、大学5年目に通いつつ、社会人チームの練習に
参加するという選択肢もあったのですけど…。大学通っていて、チームと両方とも中途半端に
なるのがイヤでした。自分にとって(部に復帰する方が)良い経験になるかなと。」

ラグビー部への復帰を決断、その事をチーム加藤のメンバーに無料メッセージサービスLINE
のグループで報告すると一斉に返信がつき、「みんな、頑張ってねと言ってくれました」と
笑顔を見せます。この日の試合前日にも、同期の中野厳選手がメッセージをくれたり、
上井草にも同期のメンバーが何人も応援に駆けつけてくれたり、その期待を肌で感じます。

「(加藤広人前主将とも)お互いに道は違うけど頑張ろうという話はしました。自分もチームも
もっと頑張らないといけないなと思っています。」

3月に入ってチームに合流、ウエイトトレーニングで汗を流し、4月からはグラウンドで再び
仲間と楕円球を追いかけます。

「今年は運動量を増やしてアタックに関しては自分たちで判断して、一個一個の局面で
勝負するというのがあるのですけど、(今日の試合でも)去年のクセとか残っていて攻撃参加
できる場面で攻撃参加できない事がありました。具体的にはボールが出たら、出た方向に
動き出すというのが今年の決まり事なのですけど、そこが去年のクセで後ろに下がっちゃう
ところがあって…。」

これからの練習で慣れていかなければならない部分と話しながらも、見せ場を作ったのは
後半12分。フィールド中央スクラムで相手を崩して、ペナルティを誘うと部員席、観客席から
大きな歓声が上がります。直後のラインアウトから一時逆転となるトライに繋げるなど、今年も
スクラムで試合の流れを変えます。

「良かったのですけど、チームとしてやりたい事とは違って…。(あのスクラムは)ヒットで出て
そのままの流れでフロントローが自分達で押しにいった感じでした。今年はフロントローは
相手の姿勢を崩す事、押しの部分に関しては後ろ(バックファイブ)が重視されているという
考えでやっているので、自分たちの中では良いスクラムとは言えないですね…。」

目指すところは更なる高み、フィールドプレーでもセットプレーでも、まだまだこれからと首を
振ります。春シーズン初戦、経験値の浅いメンバーも多い中で、その豊富な経験はチームに
とって大きな影響を与えます。ゲームキャプテンを務めた西田強平副将も

「鶴川さんを頼る訳ではないですが、僕達の代はチームを引っ張る存在として、去年を経験
した人間が少ないので、去年から試合に出ていた鶴川さんという存在はメチャクチャ大きいと
思います。特にセットプレーでは鶴川さんが入ってくると安心できますし、フィールドプレーも
チームで一番強いプレーヤーだと思っているので、そういう人が残ってくれた事はすごく
大きいですね。」

とその存在について話します。鶴川達彦選手もこの日の敗戦に、若いメンバーを引っ張る
決意を新たにします。

「今日の試合とかも、前半は本当にエナジーというか、そういう喋ったり、声出したりが全然
なくて…。それは下級生で、あんまり上のチームの試合に出ていなかったり、自信がなかったり、
そういうところがあると思うのですけど、そこは自信を持って声出してやっていかないとチームと
して盛り上がらない。来週からの課題としてやっていきたいです。」

経験豊富な5年生の復帰、チームに大きな影響をもたらします。【鳥越裕貴】



後半、突進するPR鶴川達彦選手。この日の試合を振り返って
「自信のなさから来るアタックの積極性のなさ、あとミスが多かったですね。チャレンジして
ミスするのは今の時期は仕方ないと思うのですけど、試合終盤で1トライ取られたら負けるかも
しれないという状況の中で軽いプレーとか…そういうところは、やっぱりミスしちゃいけないので
勝負に拘っていきたいと思います。」

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