主将

25日、追い出し試合。オフシーズンにも関わらずパワーとスピードを兼ね備えたプレーで躍動、その後の
写真撮影でも多くの後輩、ファンから声をかけられ、常に中心に居たのが加藤広人主将。4年間を振り返ります。

「1年生の頃からずっと使ってもらって、ワセダで成長させてもらい、ワセダに上のレベルで挑戦するチャンスを
もらいました。ワセダに来て後悔はしていませんし、今までやってきた4年間に後悔はないです。ただ結果が
全てなので、勝てなかった事は唯一の後悔です…ちょっと矛盾しているのですけど。」

ルーキーイヤーから主力選手として活躍、最終学年はラグビー人生で初めてとなる主将指名…伝統ある
早大ラグビー部の第100代主将、注目を一身に受けます。

「自分が一番パフォーマンスを出さないといけないというプレッシャーが凄いあって…。喋れないと言いますか、
言葉は上手くないので、悩んだ時も苦労した事もありました。」

チーム全体が見える立場になったが故に、チームの結果、下のチームの部員の苦悩まで一人で背負い込みます。
4年生PR鶴川達彦選手は「(加藤主将が)自分ひとりで考えすぎて落ち込んでいたりする時期もあって…それ
くらいチームの事を考えていた。」と振り返ります。色々な思いが交錯しながらも、

「グラウンドに立ったら吹っ切れました。やるしかない、行くしかないと。」

その背中を見続けてきた2年生SH齋藤直人選手が話します。

「広人さんはどんなにキツい時でも、怪我している時でも、一歩でも前へ…という気持ちがプレーに出ていて、
口で…というよりはプレーで見せるキャプテンだったと思います。」

FWとして体を張り続ける一方で、タッチライン際を何度も駆け抜けてトライを量産、そのプレーでチームの
窮地を幾度となく救います。「勝った時だけが楽しい」と話す加藤広人主将にとって一番印象に残る勝利は

「ベタなのですけど、4年の時の早慶戦。誰が見ても慶應の勝ちかと、下馬評も含めてそう思われていた
ところで危機感を持って、全員ひとつになっていいアタックできて、結果的に逆転できて、そのまま勝てた
のは嬉しかったですね。」

グラウンドを離れると素顔は面倒見の良い先輩、「私生活では声をかけてくれたり優しい」(2年生齋藤直人選手)
と後輩達は口を揃えます。沖縄から上京、不安を抱えながら大学生活をスタートさせた3年生HO宮里侑樹選手は
その時を振り返ります。

「1年の頃、緊張して寮にあまり入れなかった時とか一番最初に声をかけてくれたり…。自分だけじゃなくて
(齋藤)直人たちが入ってきた時もそうでしたし、必ず食事に誘ってくれたりして、周りがよく見えている方
だなと思います。私生活から飲みに行く機会も多くて、3年の頃部屋も一緒だったり、よく面倒を見てくれる
先輩でした。」

後輩達の言葉を伝えると加藤広人主将は自身がルーキーイヤーにお世話になった一人の先輩の名前をあげます。

「布巻さんが色んな人に声をかけて、食事に誘うことを心がけている…と、一緒にご飯食べた時に聞いたことが
あって。他の視点から、色んな話を聞いたほうが良い…と。自分も話かけられた時、嬉しかったですし、
なるべく色んな人に話かけるようにしていました。」

そして、3年の月日を経て再び布巻峻介選手と同じ戦いの場へ。

「憧れの存在でもありますし、目標の選手でもあります。だけど越えなければいけない相手でもあります。
勿論リスペクトはしていますし、僕が言うのもおこがましいのですけど、ライバル…負けたくはないですね。」

強さと優しさを備えた主将は、トップリーグのライバルチームに所属する先輩にその成長した姿を見せる日を
心待ちにしています。【鳥越裕貴】



追い出し試合、タッチライン際をスピードに乗ってゲインする加藤広人主将。トップリーグ挑戦を前に。
「同期の代表であり、ワセダの代表でもあると思うので、しっかりこの4年間学んできた以上のものを出して、
次のステージでも成長して。まずは試合に出て、将来的には日本代表、サンウルブズに選ばれて、ワセダの
選手は違うなといわれるような人間になりたいですね。」

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