終戦

16日、大学選手権・東海大戦。後半終了間際に失トライ、相手のコンバージョンキックにプレッシャーを
かける為、LO加藤広人主将を先頭にゴールラインから駆け上がったところでノーサイドの笛が鳴り響きます。

「シーズンが終わってしまったという事で非常に悔しく思っています。対抗戦からの反省、東海大学さんを
分析して、前半は我慢をしてエリアマネジメントして、後半アタックという形をプランしていました。前半の点差は
想定内でしたが、後半18-21になったところでもう一回…敵陣への入り方というところで、続けてトライを取られて
しまったことが非常に大きかった。」(山下大悟監督)

後半に入り、相手FWに外国人選手が一枚加わりギアチェンジした東海大に対して、「要所で外国人選手を
止められなかった」(LO加藤広人主将)と出場した選手が口を揃え、指揮官も唇を噛みます。

「外国人選手の一発の突破や、二人目がしっかりボールを殺せなくてオフロードで繋がれた…そういうトライが
今日目立ったのでそこが悔やまれます。」(山下大悟監督)

また後半5分にCTB中野将伍選手がトライをあげて以降、相手の強固なディフェンスを崩し切れず、得点を
上げられないまま試合が終わります。

「BKでゲインを取ることは出来るのですけど、その後の返しでテビタとかアタアタとかがいると僕らの持ち味で
あるテンポが出なくて、そこでジャッカルされたりだとか、注意しなきゃいけないと準備もしていたのですけど、
外国人選手にテンポを崩されてターンオーバーされてというのが大きかったかなと思います。」(FL佐藤真吾選手)

「ゴール前で攻めても取りきれないことが2、3回あった…一つのプレーの精度や、相手のブレイクダウンの
プレッシャーで決めた形通りに出てこないこともあったので、そこでのコミュケーションをもっと増やすべきでした。」
(CTB中野将伍選手)

「攻め込んで攻め込んで、結局ミスで終わって取りきれず…メンタル的にキツい部分もあった。しっかり取り切る
集中力、精神力が足りなかったと思います。」(LO加藤広人主将)

秋の菅平二次合宿以降、SH齋藤直人選手を軸とした速いテンポのアタックに手応えを掴みながらも、大学選手権
初戦敗退、4シーズン連続で正月を迎えられないままシーズンが終了します。記者会見、来季への課題を聞かれた
指揮官は答えます。

「ベースの力は確実についてきていると思いますし、もう少しというところだと思います。ブレイクダウンの接点の
ところも対抗戦を通じて殆どの試合で勝っていましたし、アタックもディフェンスもブレイクダウンは良くなりました。
チームとしてゲームをコントロールするところを春先からしっかりやっていかないと…と思いました。また精度という
ところで少しだけ時間が足りなかったのかなと。」(山下大悟監督)

それでもスタメンに3年生以下が10人、若いチームが積み上げた経験値はそのまま来季のチームの土台となります。

「来年は加藤さんはいなくなるのですけど、バックロー、バックファイブは下級生が全員出ているので、あと1年
バックファイブが”際”の部分を突き詰めて、当たり負けしないよう体を作ってしっかりやっていく。」(FL佐藤真吾選手)

「ラインアウトの部分で前半大事な場面で二本ミスしたというところで流れを自分が持っていけなかった。ワセダは
やっぱりセットプレーだと言われるように、来年自分がセットプレーを引っ張っていく。」(HO宮里侑樹選手)

来季、最上級生となるFW陣のキーマンが雪辱を誓えば、主将は後輩達に最後のエールを贈ります。

「練習が全て。良いところも悪いところも練習でやったことが出てくるので、厳しさを練習の部分から。
僕達にできなかったところですが、いい練習、いい試合をして欲しいと思います。」(LO加藤広人主将)

加藤組の思いを背負って、早稲田大学ラグビー蹴球部は来年創部100周年を迎えます。【鳥越裕貴】



今年のチームを牽引した4年生(写真は早明戦、校歌斉唱に並ぶ)。加藤広人主将の背中を間近で見てきた
3年生佐藤真吾選手は「プレーヤーとしても勿論凄いのですけど、私生活でも色んな人に目を配ったりだとか、
色々気を遣える人。あと熱い人です。」

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