定着
28日、帝京大戦。王者に引き離されそうになった後半、反撃ムードを呼び込んだのはWTB佐々木尚選手。
後半20分、スクラムから左サイドで直接パスを受けると内に外にと華麗にステップを切って堅固な
帝京ディフェンスを個人技で切り裂いてトライをあげます。
「目の前が大型選手でミスマッチというのは分かっていたのでスペースを狙ってステップを踏んで…
最後はスピード勝負で外に行こうという意識はありました。元々BKで右に行く予定だったのですけど、
スクラムのまわり方的に僕の前が空いたのでそこは果敢にチャレンジできたかなと思います。」
前半にはタッチライン際を粘ってパスを繋いでトライを演出、更にはフィールド中央のスペースに顔を
出してビッグゲインとアタックでキラリ光った一戦にも貪欲に振り返ります。
「自分で取りきりたい…という部分もありましたし、抜けた後にオフロードするべきじゃないところで
簡単にパスしてミスしてしまったり…。捕まってしまった後の判断をもうちょっと早くしたいです。
またFWの近くが空いていることが多かったので、自分がもっと齋藤直人君に声をかけて狙っても
良かった…。」
更にはボールキャリアとしてのプレーの質、接点の強さが課題と話し、真摯に向き合います。
「自分のせいでボールが出なかったりだとか基礎的なスキルが足りないと思った試合。小さいので
すばしっこさを生かして今日と同じように少ないスペースを切り拓いて行くという長所は伸ばしつつ
短所を補っていこうと思います。」
対抗戦に入って外のスペースを共に攻略するルーキーFB古賀由教選手とは芦屋ラグビースクール時代
からの旧知の仲、絶妙なパスを通したこの試合最初のトライなどコンビネーションに磨きがかかります。
「古賀君の兄(現同志社大)が僕とスクール同期でキャプテンをやっていたので、その弟という事で
面識はありましたし、一緒に遊んだりしていました。すごく足が速いので相手に捕まりながらも前に
出てくれたり、相手を引き付けてくれたり…自分の前が空きますし、やりやすいですね。」
下級生時代はケガが多く、試合に出続ける事さえ出来なかった佐々木選手、3年生となった今シーズンは
対抗戦開幕から4戦連続スタメン、懸ける思いを口にします。
「3年生は今後の(部における)立ち位置が決まる最後のチャンス、自分の出来る事をやっていこうと。
また硬すぎず軟らかすぎずという感じでストレッチをやったりとか、トレーナーにケアを受けてケガを
しない事に重きを置いています。最後まで出続けたいという思いはありますね。」
開幕から4戦連続トライも記録し、結果も残してのスタメン定着。ケガに泣かされ続けた下級生時代を
乗り越えて、今季こそシーズン最後まで走り続けます。【鳥越裕貴】
前半、中央スペースを突き抜けてビッグゲインを見せるWTB佐々木尚選手。初めてのビッグゲームに
「(試合前は)緊張しました。あまり緊張しすぎても良いパフォーマンスが出来ないと思って
いましたし、キックオフの時にはそんなに緊張していない良い心の状態を持てていたと思います。」