改善

14日、筑波大戦。先に記者会見を行った筑波サイドの監督、主将が同じ言葉を揃えます。

「ワセダの接点、球際のしつこさにやられてしまった…。」

この言葉を伝え聞き、LO加藤広人主将は胸を張ります。

「筑波戦に向けて接点まわり、モール。そこで僕らが勝てば勝機に持っていけるという話
をしていたので、ずっと厳しい練習を続けてきた結果です。」

前半25分過ぎには自陣深く攻め込まれながらもFWサイドをディフェンスで粘り切って、最後は
筑波が苦し紛れのキック。「準備したプレーではなかった。ゲームを大きく変えたワンプレー」
と敵将は悔やみ、山下大悟監督は自信を見せます。

「ここ2戦、筑波をスカウティングした時に、ゴール前のピック&ゴーに拘ってくると思いましたし、
その前の中盤からラインアウトモールを組んでくるだろうと。そこで引いたら負けるし、
突かなかったら負ける…とFWには相当言って、相当練習しましたので、そこで取られなかった
のは良かったですし、彼等が集中してやってくれた。」

更にディフェンスについて続けます。

「日体戦、青学戦よりもスペースを埋めるところ、自分たちのシステムに則っていた。後は
際のところ、フィニッシュのところでハイタックルを2、3回取られているのは反省ですけど(全体的
には)良かったんじゃないかなと。立ち位置のオフサイドは横から見ていてちょっと厳しいな…と
いう感じはしましたけど、アグレッシブにいっていたので良かったと思います。」

それでも試合全体の振り返りとなると、指揮官は首を捻ります。

「今日のゲーム、筑波さん云々というよりは自分たちが8月以降、上っていく曲線を止めない為にも、
まず自分たちからテンポを作り出していこうというところだったんですけど…。今年初の秩父宮と
いうこともありましたし、GPSの数値見ても全然出てないでしょうし、いいプレーも多々ありましたけど、
自分に勝つと意味では30点くらいですね。」

例年筑波との戦いで苦しめられるラインアウトに加えて、ワセダの生命線となるスクラムでも相手に
プレッシャーをかけられてセットプレーに課題を残した一戦。

「あれだけスクラムが前半安定しなくて、ラインアウトも取れないと…。取った時は当然良いアタックが
できているのですけど、そもそもの最初の形、セットピースで苦戦したので(アタックする)回数が
減りますよね…なので大元のところが課題です。取れた時は2、3回選択ミスはありましたけど、それ
以外は自分たちのテンポで出来ている。もっともっとそこを磨いていって立ち止まらないように
していきたい。」

と監督がそう話せば、主将も口を揃えます。

「ラインアウトの部分で筑波に向けて色んなサインを用意してきたのですけど、筑波の巧いディフェンス
に(相手にとって)いいように競ってしまって…終盤まで修正が利かなかった。スクラムについては僕は
左側についているのですけど、(左PRの)鶴川の部分はあまり負けている印象はなくて、(右側の)
久保・宮里の部分でプレッシャーを受けてしまうところがあるので課題を修正していきたい。」

次戦は王者・帝京大との対戦。夏の対戦では0-82と完敗した相手との再戦にLO加藤広人主将は
静かに闘志を燃やします。

「(夏は)僕を含めて4年生が不甲斐なかった…そこは真摯に受け止めています。菅平の合宿を経て、
僕らの課題がたくさん出てそれを今少しずつ少しずつ改善できている。もっと継続していい形にしたい。」

ディフェンスで掴んだ手応えと、残したセットプレーでの課題。筑波戦から2週間、更なる成長曲線を
描き、最大のヤマ場・帝京大戦に挑みます。【鳥越裕貴】



後半、ディフェンスを弾き飛ばして前進するCTB中野将伍。指揮官もその存在感を評価。
「アタックでもフィニッシュのところがちょっとまだ課題ですけど、必ず相手をずらしている。ディフェンスも
量と質を彼に求めているのですけど、今日も回数多かったですよね。去年より進化している。」
(山下大悟監督)

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