大器

17日、法政大B戦。前日の対抗戦に続いてジュニア選手権も開幕、31-7で迎えた後半38分、
ダメ押しのトライをあげたのが2年生WTB桑山淳生選手。

「(前半は)雨でボクもあまりハンドリングが上手な方ではないのに、周りを使おうとしすぎて
いました。それで上手くいかない部分があったので、(後半からは)自分の得意なプレーを
やって、怒られるんだったら怒られようくらいな感じでやりました。」

と迷いを振り切りディフェンスラインを突破、最後の一人もかわして左隅にダイブします。

「(抜けた後は)パスを出すつもりだったのですけど、味方(のフォロー)が遅れていたので…。
自分がスピードを落としてまで、パスするのでは上でやっても戦えないと思うので、スピードは
落とさずに勝負という選択肢をしました。大学初めてのトライだったので嬉しかったですね。」

高校3年時の花園予選以来というトライに少し安堵の表情を浮かべます。大学入学後、
初スタメンとなった昨年6月の春早慶戦で負傷、チームを離れて1年2ヶ月の長いリハビリ生活を
過ごします。その間、同期のSH齋藤直人選手、SO岸岡智樹選手、CTB中野将伍選手らが
ルーキーイヤーから主軸として活躍する姿をスタンドから見つめます。

「悔しかったですね…正直チームの事は考えられなかったです。(同期の)皆が注目されるのは
嬉しいことでしたけど、そこにボクがいたらどうなんだろうな…と考えることはありました。」

複雑な思いを抱えながらもイメージし続けたのは復帰後の自分の姿。

「ケガしちゃったのは仕方ない。自分が、自分が…という性格なので、WTBとしてトライゲッター
としてトライを取るためにはどうしたらよいか、自分が戻った時にどういうプレーをするのか…と
いうのをずっと考えながらやってました。」

自分と向き合った国立スポーツ科学センター(JISS)でのリハビリを通じて、離脱期間中に
肉体改造にも成功します。

「股関節まわりやお尻まわりの強さだったりはこの14ヶ月でついたなという印象はあります。
それによって一歩が大きくなりましたし、前より当たり負けするイメージもなくなって、しなやかに
強くなったかなと思います。」

復帰して初めて80分間のフル出場も果たし、目指すはアカクロジャージ、言葉に力を込めます。

「最後のトライ以外はあまりいいところがなかったので、ボールをもらうポジショニングで相手より
有利にもらえるように。そこに対して中の選手とのコミュニケーションを大事にしていきたいです。
相手がいてもいなくても関係ない、自分、自分で(仕掛けて)トライを取っていきたいと思います。」

大器の眠れる才能が試合終了間際に爆発、先行する同期のプレーヤーとBKラインを形成する
日もすぐそこまで迫っています。【鳥越裕貴】



後半38分、独走トライをあげるWTB桑山淳生選手。目標とする選手は「アダム・アシュリークーパー
選手(オーストラリア)がすごい好きです。すべてのプレーを高いレベルでやれるというところが
憧れますね。いま、神戸製鋼に来ていて身近なので、見に行けるときは見に行きたいです。」

inserted by FC2 system