新風

16日、日本体育大戦。対抗戦開幕戦でアカクロの背番号10を背負ったのが2年生SO加藤皓己選手。

「正直、結構緊張しました。一昨日のメンバー発表の時に自分がスタメンだと言われました。アカクロは
すごく重たい責任が伴うもの、最初は新しいポジションで不安があったのですけど、やるからには迷い
なくいこうと思いました。」

夏合宿まではWTB/FB。秋シーズンを迎える前に山下大悟監督から呼び出されてSOへの転向を告げ
られます。ラグビースクール、高校時代を通じてWTB/FB一筋、未知なるポジションへの挑戦に

「最初はビックリしました。ハンドリングとかテクニカルのところで(周りより)劣っていると自分で思って
いますし、まさか…という感じでした。」

SOでの初実戦となったCチーム(9月9日、国学院大戦)戦では、自ら仕掛けて裏に抜け出たところで
パスを繋いでチャンス拡大、アタックを牽引します。

「試合をやって、(SOは)こんな感じなんだ…というのが掴めたので、それで少し自信を持てました。
コンバートを伝えられた時にも監督に『仕掛けるところが今のSOに欲しいから』という理由で伝えられた
ので、そこは自分の強みだと思って自信持って仕掛けようと臨みました。自分で行こうとして半分抜けて
オフロードというイメージ、周りの仲間が反応してくれました。」

そこから1週間でBチームを飛び越えて、いきなりAチームスタメンの大抜擢、SOとしての2戦目が
対抗戦デビュー戦となり「家族も部員も全員が驚いていると思います。」と苦笑い。後半23分には自身が
絡んだループからCTB中野将伍選手がダメ押しトライを演出します。

「最初の方は自分で仕掛けて、自分に相手の注意を引き付けて、そこからタテに強い中野君とかを
使おうと決めていたのでそこは上手く行ったと思います。ただ、今日はキックがあまり当たらなくて、チームの
リズムを作れなかったので今後は改善していきたいですし、詰めて来るディフェンスに対して一瞬判断に
迷ってしまったり対応出来ない部分があったので、そこを改善して速い判断していいプレーをできるように。」

と積極的に仕掛ける姿勢を見せたアカクロデビュー戦を振り返ります。バックスリーからSOへの転向、
U20日本代表遠征から帰国した同学年の絶対的存在、岸岡智樹選手がポジション争いのライバルとなります。
その岸岡選手とは昨年度は寮で同部屋という間柄。

「(岸岡選手は)常に周りを見て状況判断をしている。考えていない時間が殆どないです。同じ部屋で学ぶ事も
すごいあったので、これからも色々プレーを見て学んで盗んでいってそれで追いつけたらなと思います。自分は
WTBで仕掛けられるというところが持ち味だと思うので、そこをもっと磨いて自分でも行けるし、周りも生かせる
そういったプレーヤーになりたい。」

北海道の名門、函館ラ・サール高校から「ラグビーと勉強を両方やりたい」とワセダに入部、頭脳派SOが
司令塔争いに新しい風を吹き込みます。【鳥越裕貴】



前半、自ら仕掛けるSO加藤皓己選手。初めてのアカクロジャージに「小さい頃からテレビで見てきて憧れですし、
入部した時からは目標でした。それを思い浮かべながら練習してきたのでそこは努力が実って良かったなと。
ただ11番、14番だと思っていたので(10番は)予定外です(苦笑)。」

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