異例

16日、夏合宿・大東文化大B戦。3年生以下で編成されたBチームでゲームキャプテンを
務めたのが2年生LO中山匠選手。スタメンに3年生が5人いる中での異例の下級生の
ゲームキャプテン抜擢は試合前夜に山下大悟監督から告げられます。

「光栄だと思いました。(グラウンドの中では)正直学年は関係ないと思っているので、
3年生が居るからとかはそんなには気にしてなかったです。」

動じることなく続けます。

「ボクが無理やりまとめるというよりは俯瞰的に見て、プレーでの牽引に回った方が良い
かなと。3年生も多く居て声を出してくれるので、足らないところでボクが一言、二言と
言っていければいいかなと、そんなに気負わずにいつも通りやればいいと思いました。」

試合開始からスクラムで相手を圧倒、前半24分にスクラムトライを取り切るなど17-7と
リードを奪い、試合の主導権を握ります。

「スクラムは去年からずっと強みにすると言っていて、網走合宿に入る前に7月の段階で
ずっと東京で強化してきたので、そこは結果が出てよかったと思います。」

流れが一変したのは後半2分、味方のシンビンで数的不利になると僅か7分の間に相手
に4連続トライと畳み掛けられて17-33と逆転を許します。チームの苦境にも中山選手は
冷静に振り返ります。

「結果的に見ると、一人減って外側をよく抜かれる形になったのですけど、一人抜けたくらい
では崩れない(ディフェンス)システムだとボクは思っているので、そこは関係なくあの場面は
システムが不完全だったなと思います。チーム自体は(空気が)重くなりましたけど、やる事は
別に変わらないので基本を徹底しようと言ってました。」

菅平に入る前の網走合宿でフォーカスしてきたというゴール前でのラインアウトモール、
アンストラクチャーな局面からのアタックでトライを重ねて流れを引き戻すと後半35分には
ゴール前スクラムから相手の反則を誘うペナルティトライで逆転、終了間際には敵陣ゴール前
でのFWの連続攻撃から「特に狙っていた訳じゃなくて、普通にいつも通りやっていたら
(前が)空いていた」と中山選手自らのトライでダメ押し、4連続トライをお返しして勝利を
収めます。

「この合宿に入る前にも走り勝つという部分でチームでトレーニングしてきたので、後半は
走り勝てたかなという感じですね。ただ、FWをゴール前では多く使ったのが機能してトライを
取れたと結果的には見えるのですけど、その中でストラクチャの部分で『何人のセットで
動かなきゃいけない…』とかそういうところが不完全だった。ディフェンスの兼ね合いでトライを
取れたというのはありますけど、次の試合に向けてもう一度修正しなきゃいけないかなと
思います。」

Bチームとはいえ、2年生でゲームキャプテンの重責を担った初めての試合で部員席も
一体となった劇的な逆転勝利、全体的には反省のコメントが続く中にも、ちらり本音も
覗かせます。

「プレッシャーもありました。個人的にいえばホッとしたという部分も大きいです。」

一息ついて再び反省の弁が口をつきます。

「けど、やっぱりこのチームは個人で動くものではないですし、しっかり次の試合に向けて
FWなり、BKなり、チーム全体なりで修正していかなければならないと思います。FWのモールの
ところでいうと最初モールを組もうと思って倒されてしまったり、後半になってそこは修正できた
としても押し切れなくてトライを取れなかった部分があったり…。取り切るという事を目標に
していたのに出来なかったという点が不十分だったと思います。」

最後は再びゲームキャプテンの顔、若き2年生リーダーの奮闘が続きます。【鳥越裕貴】



後半35分、スクラムで圧倒してペナルティトライを奪い仲間と喜びを分かち合うゲームキャプテン
LO中山匠選手。体重は昨シーズン終了から10キロ増の96キロ、昨年までのバックローに加えて、
2年目のシーズンはLOでの出場も視野に。

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