故郷

18日、春シーズン最終戦となった早明戦。一際、大きな声援を受けていたのが地元・宮崎出身の
CTB黒木健人選手。「ここで合宿もしていたのでよく来た場所。とても懐かしかった」という
試合会場では、前座試合に出場した地元ラグビースクールの子供達が食い入るように黒木選手の
背中を見つめ、地元テレビ局からもインタビューを受けるなど注目を集めます。

「素直にうれしかったですし、励みになりました。(故郷での試合に)気持ちを入れていった
のですけど逆に空回りしたのかなと。いつも通りが一番ですね…。」

と視線を落とします。前半4トライを先行されたもののワセダもスクラムを安定させると攻勢に
転じて連続トライ、14-26と点差を詰めて後半を迎えます。その後半立ち上がり、敵陣ゴール前に
攻め込みながらも痛恨のインターセプト、その場面を振り返ります。

「前半の後半に流れが良くなって、そこから後半最初、更に流れを良くしていこうといい攻め方が
出来ている中で僕が安易なパスをして、インターセプトされてトライまで繋がれてしまった。
チームの流れが悪い時にこそ、僕が安定したプレーをしなければいけないと思っているのに、
ミスして逆にチームの流れを悪くしてしまった…反省です。」

この日は見せ場を作れなかったもののラストイヤーとなる今季は副将としてチームを牽引する
立場。春シーズン、加藤広人主将が戦列を離れている期間はゲームキャプテンも務めます。

「まずは自分たちのやるべきことをしっかりやり切ろうという部分。そうやれば結果はついてくる
と思っていたので、まずはやり切るために必要なところを個人であったり、チーム全体であったり
に声をかけていました。」

チームの雰囲気作りを大切にしているという副将。寮で同部屋、同じCTBコンビと間近で見ている
2年生中野将伍選手は「チームのBKを引っ張ってくれる存在。(寮では)優しく、リラックスでき
ます。」とその人柄の良さを話します。

下級生時代からディフェンスが持ち味の黒木選手、春シーズンを通して失点が多かったこともあり
夏以降の課題について改めてディフェンスにフォーカスします。

「(個人としても)ディフェンスやタックルを強みにしていかなければならないのに、まだまだ
タックル数だったり、成功率も良くなかったので、もっと精度をあげて夏で成長したいです。」

今年1月以来という束の間の帰省、この後夏合宿を経て対抗戦へと突入すると次に宮崎へ帰って
くるのはシーズン終了後の予定。この日プレーで魅せられなかった分、大学日本一を手土産に
地元への改めての恩返しを誓います。【鳥越裕貴】



後半、ディフェンスラインに立ち指示を送るCTB黒木健人副将。寮で同部屋の中野将伍選手について、
「今日のホテルも(中野将伍選手と)同じ部屋で、ずっと同じです(苦笑)。部屋では練習や試合の
振り返り、『あのプレーどうだった?』…とか振り返りはよくやってますね。この間、彼が20歳に
なったので一緒にご飯に行って祝ったり、仲良くやってます。」

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