勝負

21日、専修大との練習試合。Aチームが名古屋遠征、留守を預かるBチームでゲーム
キャプテンを務めたのが4年生CTB中野厳選手。

「自分達はAのメンバーに選ばれていないのがまず現状。そこで個人のアピールをしっかり
やるように…というのと、あとはチームとしてやることは、どのチームに居ても変わらないので、
意識してやってきたハードワークを徹底していくというのを声掛けして試合に臨みました。」

その言葉を体現するプレーが前半8分飛び出します。フィールド中央で好タックルを決めて
相手のボールコントロールを乱すと、こぼれ球を拾ったWTB大塚天喜選手がビッグゲイン、
出来たラックからFB神山隆太選手がディフェンス裏にゴロパントを蹴るとこのボールに一番に
反応したのは中野厳選手、デッドボールラインギリギリでボールを抑えます。ディフェンスから
切り返してトライを奪いきる理想的なトライの中で、仕掛け、仕留めの両局面で見せたプレーを
振り返ります。

「あれはいっぱい(プレーに)参加できたので良かったです。ああいうのを80分間常に続けて
いけるようにしていきたいですね。」

圧倒的な破壊力でチームの核となっている同ポジションで同姓の中野将伍選手の存在を
「あれはもうDNAが違うので(笑)」と苦笑い、自身の存在価値を別のところに見出します。

「体が小さい分、人よりも動かないといけないのでハードワークというところを突き詰めていく
しかないかなと。ディフェンスはもちろんアタックも誰かが仕掛けたらそこをついていくとか、
常に狙っていく。タックルも自分で狙っていって、小さい分弾かれても弾かれても立ち上がる。
本当は弾かれちゃダメなのですけど、登場する回数を多くするというのを意識してやって
いきたいです。」

中学は開成中学、毎年東大合格者数No.1の開成高校への進学ではなく選んだ道は早大学院。
横浜ラグビースクールでラグビーを始めたころに見ていた清宮ワセダ黄金時代、その頃の
強い憧れが中野厳選手の心を動かします。中学三年生の春、進路を家族に相談すると、

「(家族は)ビックリしていました。ワセダでラグビーがしたいので、ラグビーをちゃんと出来る
ところにいきたいと…。ビックリはしていましたけど、自分で決めたのなら…と快く応援してくれ
ました。今思えば、感謝しています。」

憧れのアカクロジャージまであと一歩のBチーム。この週はU20日本代表に選ばれている主力
選手が不在、下のチームの選手にとって大きなアピールチャンスを迎えます。

「(今日も)4年生みんなが遠征に行っているので周りが頑張っているのは刺激になりますし、
自分も頑張らなきゃと思います。4年生ですし、チャンスも少ないと思うのでU20遠征であれ、
(他のメンバーの)ケガであれ、どんな状況であれチャンスを逃さないように掴まないといけない
です。そういう意味では一試合一試合勝負というのは常に意識しています。」

スペースに巧く走りこむ持ち味を発揮して2トライ、更には再三のチャンスメイクで55得点の
大勝に貢献。

「アタックはそれなりに自分のやりたい事が出来ました。ただ、まだまだ周りを活かせたり、
今日も抜けた後に後ろから捕まっちゃたりしたので、出来る事はありますし、そこでアピール
していかないと。」

憧れのアカクロジャージへ、4年生CTB中野厳選手の勝負の春シーズンが続きます。【鳥越裕貴】



後半、突進するCTB中野厳選手。5月ながら酷暑の中での一戦。
「ディフェンスは最後足が止まっちゃってあまりタックルに入れなかった。この暑い中でも、そこで
相手よりしっかり走って、辛い時こそハードワークできるようにしないといけないと痛感しました。
次の練習からしっかり意識してレベルアップしたいです。」

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