努力

2日、筑波大戦。聖地秩父宮での校歌斉唱、5年生HO貝塚隼一郎選手は溢れる思いを
堪えきれずに涙を流します。試合後、少し照れ笑いを浮かべながら振返ります。

「あの場所に立って、ココに戻ってきたのかと思うと自然と涙が止まらなかった。
この決断をするにあたって色々悩んでいたところもありますし、そういったことを
思い出して…。」

一度は同期とともに卒部も”5年生”として7月に入ってチームに復帰、夏合宿初戦と
なった中央大戦からAチームでいきなり起用されるものの、貝塚(隼)選手の胸に
押し寄せたのは複雑な思いでした。

「ホント、不安ありましたね。ここで変なプレーをして『お前、何しに戻ってきたんだ』
…ってなるのが怖かったです。」

復帰から2ヶ月、Aチームでのスタメン2番が続き、スクラム、ラインアウトのキーマン
としてチームの信頼を得ながらも、8月の菅平で語った思いは今も胸の中に。

「練習とかで迷惑かけているところもあるので…。そういった思いを吹っ切るために
努力を続けていかなければならないと思ってます。ヘタクソなので練習を重ねて
いかないと。」

上井草のネットに向かってスローイングを繰り返す日々、この日のラインアウトも
きっちりとまとめ、指揮官も一定の評価を与えます。

「筑波がラインアウトを強みにしている中で、総じてラインアウトは良かった。」
(山下大悟監督)

ラインアウトだけではなくスクラムも含めたセットプレーの安定はチームの快勝を
しっかりと支えます。

「ワセダのHB団にプレッシャーをかけたかったが、ワセダのセットプレーが安定して
いる中で、なかなか出来なかった」(筑波・古川拓生監督)

敵将も唇を噛んだ盤石のセットプレー、控えめに貝塚(隼)選手も振り返ります。

「自分がやるべきことを基本に立ち返ってやろうと。それはセットプレーの安定と
タックル、ディフェンスのところで体を張るというところ。ある程度できたかなと
思います。ラインアウトは詠真(桑野主将)中心にサイン出しが良かったので、
投げやすかったですね。」

それでも目指すところはまだ先に。

「でも、ラインアウトもちょっとミスありましたし、スクラムも不完全燃焼のところが
あったので、精度を高めていきたいです。」

悩んだ末の戦線復帰、その決断が間違いではなかったことを証明する為、努力を続ける
日々が続きます。【鳥越裕貴】



試合前、こみ上げる思いを胸に校歌を歌いあげるHO貝塚隼一郎選手。難敵・筑波
相手の快勝に「手応えを感じる事ができます。ブレイクダウンについて、僕はそんな
大きく関わる事はできなかったですけど、チームとして練習しているところが
そのまま結果として出ていると思います。」

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